目次
1. はじめに|なぜ「3種類」に分かれているのか?
スーパーやコンビニの棚に並ぶ「ビール」「発泡酒」「第三のビール」。見た目は似ていますが、価格や味わい、そして健康面に大きな違いがあります。背景には日本独自の酒税制度があり、メーカーが工夫を重ねて生まれた多様なビール系飲料。
本記事では、それぞれの定義や味わいの違いに加え、気になるカロリーや糖質の比較まで徹底解説します。
2. ビールとは?

⚫︎定義と製法
- 酒税法上「麦芽比率50%以上+ホップ+水」で造られたもの
- ラガー(下面発酵)が主流だが、クラフトブームでエール系も増加
- 麦芽の使用が多いため、コクと泡のクリーミーさが強い
⚫︎味わいの特徴
- コクがしっかり、苦味や香ばしさを感じられる
- 食中酒として揚げ物や肉料理と相性抜群
⚫︎栄養面
- カロリーはやや高め(100mlあたり40〜45kcal程度)
- 糖質も比較的多く含まれる(100mlあたり3〜3.5g程度)
- 飲みごたえがある分、飲みすぎに注意
3. 発泡酒とは?

⚫︎定義と背景
- 麦芽比率が50%未満、または副原料を多く使ったもの
- 1994年に登場、酒税を抑える工夫から普及
- 価格はビールより安価
⚫︎味わいの特徴
- ビールに比べて軽快でスッキリ
- 副原料の影響で個性が出やすく、あっさりした飲み口が多い
⚫︎栄養面
- カロリーはビールよりやや低め(100mlあたり30〜40kcal程度)
- 糖質もやや少なめ(100mlあたり2〜3g程度)
- 「糖質オフ」商品が多く、健康志向層に人気
4. 第三のビール(新ジャンル)とは?

⚫︎定義
- 2000年代に登場、さらに低税率を目指して開発
- 大豆やえんどう豆など麦芽以外を主原料にする「その他の醸造酒」タイプと、発泡酒にスピリッツを加える「リキュール」タイプの2種
⚫︎味わいの特徴
- ビールに近い香りやコクを再現しつつも軽快で飲みやすい
- 晩酌用として毎日でも手が出しやすい価格帯
⚫︎栄養面
- カロリーはさらに低め(100mlあたり28〜35kcal程度)
- 糖質も抑えめ(100mlあたり1.5〜2.5g程度)
- 「機能性表示食品」や「糖質ゼロ」商品も登場
5. 3種類の違いを比較表で整理
| 分類 | 麦芽比率 | 主な原料 | 100mlあたりカロリー | 糖質量 | 味の特徴 | 代表銘柄 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ビール | 50%以上 | 麦芽・ホップ・水 | 約40〜45kcal | 約3〜3.5g | コク・苦味・香り豊か | スーパードライ、プレモル |
| 発泡酒 | 50%未満 | 麦芽+副原料(米等) | 約30〜40kcal | 約2〜3g | 軽快・スッキリ | 淡麗グリーンラベル |
| 第三のビール | ほぼ0〜25%以下 | 大豆・えんどう豆・スピリッツ | 約28〜35kcal | 約1.5〜2.5g | ビール風、ライトな飲み心地 | 本麒麟、金麦 |
6. 味わいと飲み分けのポイント
- ビール:本格的なコクと苦味を味わいたいとき、贅沢な一杯に
- 発泡酒:軽く飲みたいとき、糖質オフやあっさり好みの人に
- 第三のビール:毎日の晩酌や家計重視、健康面を気にする人に
食事との相性も変わります。こってりした肉料理にはビール、和食や鍋料理には発泡酒、軽めのおつまみや宅飲みには第三のビールが向いています。
7. 税制改正と今後の動き
日本では、ビール、発泡酒、第三のビール(新ジャンル)は税率が異なり、「どれを選ぶか」は価格にも直結する重要なポイントです。
2020年から段階的に酒税改正が進められ、2026年10月にはこれら3種類の税率が完全に統一される予定です。
現行の税率(350ml缶あたり)
| 飲料区分 | 税額(350ml換算) |
|---|---|
| ビール | 約63.35円 |
| 発泡酒 | 約46.99円(据え置き) |
| 第三のビール(新ジャンル) | 約46.99円(2023年10月に引き上げ) |
- 2023年10月の改正で、ビールは従来の70円から63.35円に減税されました。
- 発泡酒は46.99円のまま据え置かれました。
- 第三のビールは37.8円から46.99円に引き上げられ、発泡酒と同率になりました。
◾️将来の動向 — 2026年10月の完全一本化
- 2026年10月以降、ビール系飲料すべてが 350mlあたり54.25円 に一本化されます。
- この統一により、従来は価格で選ばれていた「発泡酒」「第三のビール」も、味や成分、製法など品質ベースでの選択に変化していくと見られます。
◾️背景と市場インパクト
この税制度の見直しは、酒類間の税負担の公平性確保や市場の停滞打破を目的に段階的に実施されています。メーカー側も、価格競争だけでなく「味の差別化」「健康志向」「クラフト路線」など、付加価値によるブランド戦略に力を入れ始めています。
まとめ|健康面も考えながら選ぶビールライフ
ビール・発泡酒・第三のビールは、価格だけでなくカロリーや糖質にも違いがあります。
- コクと香りを重視するならビール
- カロリーや糖質を控えたいなら発泡酒や第三のビール
- 毎日の晩酌を気軽に楽しみたいなら第三のビール
自分の健康状態やライフスタイルに合わせて選ぶことで、より賢くビールを楽しめます。

◾️この記事を書いた人
SUZU
国際唎酒師の資格を持つ日本酒好きライター。日本酒はもちろん、ひれ酒をこよなく愛しています。
取得機関:https://ssi-sake.jp/
こちらの記事もおすすめ


![[2025年版:最新]全国のビールイベント完全ガイド](https://craftsakeworld.jp/wp-content/uploads/2025/08/h-9-e1755090510379.jpg)
![[2025年版:最新]全国の日本酒イベント完全ガイド](https://craftsakeworld.jp/wp-content/uploads/2024/12/Happy-Mothers-Day-Presentation-43-66-e1734744257340.jpg)



