目次
1. はじめに|フルーツビールの人気の理由
「ビールは苦いから苦手…」そんな声を覆すのがフルーツビールです。果物の香りや甘味をまとったこのスタイルは、クラフトビールの多様性を象徴する存在。特に女性やビール初心者、ワインやカクテル好きの人に人気があり、見た目も華やかでSNS映えすることから近年ますます注目を集めています。
しかし「フルーツビール=甘い」というイメージは必ずしも正しくありません。
果物の種類や製法によって、甘口から爽やか系まで幅広い味わいが存在するのです。
2. フルーツビールとは?基本定義と特徴
フルーツビールとは、ビールの仕込み段階または発酵後に果実や果汁、ピューレを加えて造られるビールの総称です。
伝統的にはベルギーのランビックに果物を漬け込む「フルーツランビック」が有名で、チェリーを使った「クリーク」やフランボワーズ(ラズベリー)を加えたものが代表例です。
クラフトビール文化の拡大とともに、近年は世界各地で多彩なフルーツビールが生まれ、日本国内でもゆずや桃など和の果物を使った銘柄が登場しています。
3. フルーツビールの味わいの特徴
フルーツビールの魅力は「甘さ」と「酸味」、そして「ビールらしさ」のバランスにあります。
- 甘さの種類
果実そのものの自然な甘みから、糖類を加えてリッチに仕上げたタイプまで幅広い。桃やマンゴーなどトロピカル系は甘口に寄りやすく、飲みやすさが特徴です。 - 酸味とのバランス
ベリー系(ラズベリー、カシス)は酸味が立ち、ワインに近い爽やかさを持ちます。甘さと酸味が織り交ざることで、軽やかで食中酒にも適しています。 - ビールらしさの残り具合
麦芽のコクやホップの苦味をしっかり残したタイプもあれば、果実感が強く「カクテルのよう」と評されるタイプも。ビールらしさを求めるか、果実味重視かで選び方が変わります。
4. 甘さ別|代表的なフルーツビールの種類
フルーツビールは甘さの度合いで大きく3タイプに分けられます。
| タイプ | 主なフルーツ例 | 味わいの特徴 | 飲みやすさ |
|---|---|---|---|
| スイート系(甘口) | チェリー、ピーチ、マンゴー | 甘味が強くデザート感覚で楽しめる | ビール初心者に最適 |
| バランス系(甘+酸) | フランボワーズ、カシス、グレープフルーツ | 甘酸っぱさが調和し、ワインのような印象 | 食中酒向き |
| 爽やか系(すっきり) | レモン、ライム、ゆず | 甘さ控えめ、爽快感重視 | 暑い季節や食中に◎ |
5. フルーツビールのおすすめ銘柄
海外のフルーツビール
⚫︎Fruli (Belgium)

小麦ビールといちごを30%ブレンドした、世界ベストフルーツビール受賞歴を持つ逸品
⚫︎Kriek Lambic (Belgium)

地元産のサワーチェリーを使った伝統的ランビックスタイル。乾杯文化の象徴です。
⚫︎Wisconsin Belgian Red (USA)

アメリカ・ニュージャージー州のNew Glarus社製。地元チェリーが香る甘酸っぱい伝統派。
⚫︎Jubel – Peach / Lemon / Grapefruit Lager (UK)

ピーチやレモンなどフルーツフレーバーのライトなラガーで、UK では販売前年比300%の成長。
日本のフルーツビール
⚫︎Far Yeast Peach Haze(山梨県)

山梨市・Peach Senka Yamashitaの桃を使用したヘイジーペールエール。桃のジューシーな香りとフルーティーな後味が特徴で、Yamanashi Support Project(後の「Brewed with YamanASHI」)の一環として製造され、春〜夏の限定商品として根強い人気を誇ります。
⚫︎ Y. Market Brewing Yellow Sky Yuzu Pale Ale(愛知県・名古屋)

名古屋のY. Market Brewingが手がける、柚子の風味を効かせたペールエール。柑橘の切れ味とホップのバランスが良く、すっきりした余韻が魅力です。日本らしい素材を生かしたスタイルとして評判です。
⚫︎Yuzu Lager(高知県・馬路村)

高知県馬路村の柚子をふんだんに使用したフルーツラガー。柚子の爽やかな酸味と香ばしさがラガーの後味と溶け合い、食中酒としてもぴったりの一杯です。
6. フルーツビールの楽しみ方とペアリング
フルーツビールはその果実特性に合わせた料理との相性が魅力です。
- 甘口タイプ → チーズケーキ、チョコレート、ドライフルーツ
- 酸味タイプ → サラダ、カルパッチョ、ヨーグルト系料理
- 柑橘系爽やかタイプ → 天ぷら、焼き鳥、唐揚げなど揚げ物
デザート酒としてはもちろん、前菜や和食と合わせても楽しめます。
7. フルーツビールは本当に甘い?選び方のコツ
「フルーツビール=甘い」と思われがちですが、実際は種類によって大きな差があります。選ぶ際のポイントは次の通りです。
- ラベル表記を確認:「フルーツビール」「ランビック」「フルーツエール」などの表記に注目
- 果物の種類で判断:甘口ならピーチ・マンゴー、爽やかならレモン・ゆず
- 初心者は軽めから:アルコール度数4〜5%前後の軽いものを試すと安心
まとめ|甘さと爽やかさで広がるフルーツビールの世界
フルーツビールは「甘い」というイメージにとどまらず、果物ごとの個性によって多様な味わいを楽しめるジャンルです。甘口でデザート感覚に楽しむもよし、酸味を活かして料理と合わせるもよし。
ビール初心者から愛好家まで幅広く楽しめるスタイルだからこそ、まずは自分の好みに合った1本を見つけてみてはいかがでしょうか。

◾️この記事を書いた人
SUZU
国際唎酒師の資格を持つ日本酒好きライター。日本酒はもちろん、ひれ酒をこよなく愛しています。
取得機関:https://ssi-sake.jp/
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