
日本酒は、味や香りだけでなく、“ふるまい”そのものも楽しむ文化です。
特に和食やお祝いの席など、きちんとした場では、注ぎ方や飲み方のマナーを知っていると印象がグッと良くなります。
もちろん、気軽な飲み会や家飲みでは堅苦しいルールは不要。
でも、ちょっとした心づかいを意識するだけで、場の雰囲気や会話まで変わってくるのが日本酒の魅力です。
この記事では、日本酒を注ぐ・飲むときに知っておきたい基本マナーと、実際によくある疑問に答えるQ&Aを紹介します。
基本マナー|注ぎ方・受け方・飲み方

● 注ぎ方の基本
- 右手で徳利(とっくり)を持ち、左手を軽く添えて注ぐのが丁寧な所作
- 相手のおちょこが手元にある場合は、真正面からではなく、やや横から注ぐとスマート
- 注ぐ量は7〜8分目が基本。なみなみ注ぐのは“マナー違反”とされることもあります
● 受け方の基本
- おちょこは、両手で持つのが基本。片手で持ち、もう片方の手を器の底に添えるのが丁寧なふるまい
- 注がれたら、軽く会釈して「ありがとうございます」と一言添えると好印象
- 注がれた日本酒には、口をつけるのが礼儀。無理に飲み干す必要はありませんが、一口だけでも味わいましょう
● 飲み方の基本
- グイっと一気に飲むのではなく、一口ずつ丁寧に味わうのが日本酒の美しさ
- 食事と合わせて楽しむことが多いため、料理の合間に飲むのが◎
よくある日本酒マナーQ&A
Q. 自分で自分に注いでもいいの?
→ 基本的には「自分に注がない」のがマナーですが、最近では一人飲みやカジュアルな席ではOK。
正式な会では、注がれるのを待ちましょう。
Q. 左利きでも右手で注ぐべき?
→ 原則は右手ですが、左利きの人は無理をせず、スムーズに注げる方の手でOK。
相手に失礼のないよう、丁寧な動作を意識すれば問題ありません。
Q. 注がれる前に飲み干すべき?
→ 日本酒は注ぎ足し文化があるため、空にしなくても注がれることがあります。
気になる場合は「いただいてからでもよいですか?」と一声かけるとスマートです。
Q. おちょこは両手じゃないとダメ?
→ フォーマルな場では両手がベストですが、気軽な飲み会では片手でも問題なし。
注がれるときは、もう一方の手をそっと添えるだけでも丁寧な印象になります。
Q. 乾杯のときはグラスを合わせるの?
→ おちょこは薄く割れやすいため、合わせるのは控えるのが正式なマナー。
代わりに軽く持ち上げて目礼するだけでOKです。
親しい席なら軽くトンと合わせてもよいですが、相手に合わせましょう。
ワンポイントマナーまとめ
シーン | スマートなふるまい |
---|---|
注ぐとき | 両手で徳利を持ち、7〜8分目まで静かに注ぐ |
注がれるとき | おちょこを両手で持ち、軽く会釈してお礼を述べる |
自分に注ぐとき | カジュアルな席ではOK。正式な席では控える |
乾杯のとき | おちょこを持ち上げて軽く目礼 or そっと合わせる |
おかわりのタイミング | 相手の器が空く頃に「いかがですか?」と一声かける |
まとめ|マナーは気づかいの“形”
日本酒のマナーは、堅苦しいルールではなく、相手との関係をより心地よくする“心づかいの表現”です。
注ぎ方や飲み方の一つひとつに、日本ならではの礼儀やおもてなしの文化が込められています。
でも、マナーを完璧にすることが目的ではありません。
大切なのは「相手を思いやる気持ち」。その気持ちがあれば、自然とふるまいにも美しさが宿るはずです。