【静岡県】南アルプスの伏流水と静岡県産米が育む「花の舞」 静岡県浜松市浜北区。かつて秋葉街道の宿場町として栄えたこの地で、江戸末期から160年にわたり酒造りを続けているのが花の舞酒造です。米・水・杜氏のすべてを静岡県産にこだわり抜くという、地酒ならではの一途な姿勢が、多くのファンを惹きつけています。
元治元年、宿場町に生まれた蔵
花の舞酒造の創業者・高田市三郎が、遠江国あらたま村宮口の地で清酒製造業を始めたのがはじまりです。この年はペリー来航のわずか11年後、大政奉還の3年前という激動の時代。以来160年以上、南アルプス赤石山系から湧き出る伏流水とともに酒造りを続け、蔵の名を冠した「花の舞」が誕生しました。

天竜川の奉納踊りに由来する、美しい銘
「花の舞」という名前は、天竜川水系に古くから伝わる奉納踊り「花の舞」に由来しています。ここでいう「花」とは、稲の花のこと。五穀豊穣を祈るこの踊りの名を蔵の代表銘柄に冠することで、地域とともに生きる酒蔵としての想いを表現しています。
米も水も人も、すべて静岡県産という誇り
花の舞酒造のこだわりは、原料のすべてを地元・静岡県産で揃えること。山田錦は地元の契約農家と手を組んで栽培し、静岡県オリジナルの酒造好適米「誉富士」も積極的に使用しています。仕込み水には、本社工場の地下100mから汲み上げる南アルプス赤石山系の天然水を使用。杜氏をはじめとする蔵人たちも地元出身にこだわり、社内で技能集団を育成するなど、地域に根差した酒造りを大切にしてきました。近年では、洋食に合う日本酒づくりにも挑戦し、ワイン酵母を使った新しいタイプの日本酒も生み出しています。
受賞歴からたどる、看板酒の味わい

花の舞 誉富士純米吟醸
静岡県が独自に開発したオリジナル酒造好適米「誉富士」を使い、米も水も酵母もすべて静岡県産で醸した、まさに「これぞ地酒」と呼ぶにふさわしい純米吟醸酒です。精米歩合60%まで磨いた誉富士は、ふくらみのある豊かな味わいが持ち味。口に含むとしっかりとした旨みがじんわりと広がり、甘みと辛みのバランスもよく、飲み飽きることのないさわやかな飲み口に仕上がっています。静岡の土地の恵みをまるごと感じられる、蔵の想いが詰まった一本です。

花の舞 純米大吟醸
花の舞酒造の技術が結集した純米大吟醸は、大吟醸造りをすべて機械に頼らず、代々受け継がれてきた杜氏と蔵人の手作業で仕上げているのが特徴です。ふわりと漂うのは、バナナを思わせる甘くやさしい香り。口当たりはやわらかく上品で、酸味と甘みのバランスが絶妙なため、料理の旨みをそっと引き立ててくれます。全国新酒鑑評会をはじめとする数々の鑑評会でも高く評価されてきた、蔵の実力を象徴する一本です。

花の舞 Abysse(アビス)
「洋食に合う日本酒を造る」というコンセプトから生まれた、花の舞酒造の挑戦作が「Abysse(アビス)」。清酒酵母ではなく、フランス・ブルゴーニュ地方シャブリの白ワイン酵母を使用するという、日本酒としては非常に珍しい試みで造られています。香りは温度によって表情を変え、冷えているときはグレープフルーツなど柑橘系の果実を思わせる香りが、温度が上がるにつれてふくよかな香りへと移り変わっていきます。口に含むと、優しく柔らかな米の甘みに、角の取れたきめ細やかな酸が寄り添う、ワインのような味わい。
静岡の恵みを、そのままグラスに
創業から160年、地元の米と水と人にこだわり続けてきた花の舞酒造。伝統的な酒造りを守りながらも、新しい日本酒の可能性にも果敢に挑戦しています。静岡を訪れた際には、ぜひ「花の舞」を通じて、南アルプスの恵みと蔵人たちの手仕事を味わってみてください。

[蔵情報]
蔵元:花の舞酒造
所在地:静岡県浜松市浜北区宮口632
創業:1864年
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