【唎酒師が解説】日本酒の発酵の仕組み「並行複発酵」〜ワイン・ビールとの違いと味への影響〜

SNSでシェア/Share

1. 日本酒の発酵を1分で理解する

2. 日本酒造りの5工程と、発酵が起こる場所

工程内容
【工程1】精米玄米の外側を削って、雑味の元となるタンパク質や脂質を取り除く工程。
【工程2】製麹(せいきく)蒸した米に麹菌を繁殖させ、米麹をつくる工程。※米麹とは…米のデンプンを糖に変える酵素を供給する、発酵の土台。
【工程3】酒母造りアルコール発酵を担う酵母を、少量の仕込みの中で大量に培養する工程。※この段階ではまだ本格的な発酵は始まっていません。
【工程4】もろみ造り酒母に米・米麹・水を加えて仕込む工程。ここで初めて本格的な発酵(並行複発酵)が始まります。
【工程5】しぼり発酵を終えたもろみを、液体(清酒)と酒かすに分ける工程。

3. 発酵の3タイプ:単発酵・単行複発酵・並行複発酵

発酵方式代表酒仕組み
単発酵ワイン果物の糖をそのまま発酵
単行複発酵ビール糖化→発酵の順番で進める
並行複発酵日本酒糖化と発酵を同時進行

4. なぜ並行複発酵が「日本酒の魅力」を生むのか

①醸造酒でありながら高いアルコール度数を実現できる

②雑味が出にくい

③複雑で豊かな香味成分が生まれる

5. 並行複発酵を支える2つの主役

黄麹(Aspergillus oryzae)

清酒酵母(Saccharomyces cerevisiae)

6. 【工程3】酒母造り|発酵の前に、まず酵母を育てる

麹蓋に広げられた米麹

酒母造りの3つの方式

方式乳酸の由来酒母の期間の目安味の傾向
生酛(きもと)蔵にすみつく乳酸菌が生成約30日酸と旨味が厚い
山廃(やまはい)同じく乳酸菌が生成約30〜40日複雑味と酸の主張が強い
速醸(そくじょう)醸造用乳酸を添加約10〜14日クリーンで軽快

7. 【工程4】もろみ造り|ここで初めて本格的な発酵が始まる

酒蔵に並ぶ仕込みタンク

三段仕込み:酒母を一気に薄めないための工夫

低温発酵:吟醸香を育てる技術

発酵期間の違いで味はこう変わる

  • 短期発酵(約20日):淡麗で軽快な味わい。すっきりした食中酒向き。
  • 長期発酵(30日以上):濃醇で複雑な味わい。旨味の厚みが増します。
  • 低温長期発酵:吟醸酒・大吟醸に用いられる技法。華やかな香りと繊細な味わいを両立します。

8. 海外でも注目される並行複発酵

9. まとめ|発酵の仕組みを知ると、日本酒はもっと味わい深くなる


SNSでシェア/Share

craftsakeworld

MADE IN JAPANのお酒を紹介しています。 日本の酒文化を愛するすべての人に、新たな発見と楽しみを提供します。

Related Posts

You Missed

【唎酒師が解説】日本酒の発酵の仕組み「並行複発酵」〜ワイン・ビールとの違いと味への影響〜

  • 10月 28, 2026
【唎酒師が解説】日本酒の発酵の仕組み「並行複発酵」〜ワイン・ビールとの違いと味への影響〜

[2026年版:最新]全国の日本酒イベント完全ガイド

  • 10月 25, 2026
[2026年版:最新]全国の日本酒イベント完全ガイド

[2026年版:最新]全国のビールイベント完全ガイド

  • 10月 25, 2026
[2026年版:最新]全国のビールイベント完全ガイド

【清水清三郎商店:三重県】鈴鹿の風土と職人の技が醸す、透明感あふれる日本酒「作」

  • 10月 24, 2026
【清水清三郎商店:三重県】鈴鹿の風土と職人の技が醸す、透明感あふれる日本酒「作」

泡盛と日本酒の違いとは?初心者にもわかりやすく味・度数・製法を比較|おすすめ銘柄・専門店も紹介

  • 10月 21, 2026
泡盛と日本酒の違いとは?初心者にもわかりやすく味・度数・製法を比較|おすすめ銘柄・専門店も紹介

【本家松浦酒造:徳島県】世界三大潮流の地で220年以上。伝統と革新を受け継ぐ「鳴門鯛」

  • 10月 18, 2026
【本家松浦酒造:徳島県】世界三大潮流の地で220年以上。伝統と革新を受け継ぐ「鳴門鯛」