「日本酒ってアルコール度数が高くて苦手…」「日本酒はツンとくるから敬遠してた」という方でも、「これはまるで水みたいに飲める!」と驚くような日本酒が存在します。
今回は、そんな“飲みやすい日本酒”の特徴や、初心者でもスッと楽しめるおすすめ銘柄をご紹介。国際唎酒師が実際に飲んだことある日本酒から厳選して、日本酒デビューにもぴったりな銘柄を紹介。
目次
1. なぜ「まるで水みたい」と感じるの?
「飲みやすい」と感じる日本酒には、共通したいくつかの特徴があります。
◾️ アルコールの刺激が少ない
飲みにくさの原因となるのは、アルコール由来の“ツンとした刺激”や喉を焼くような感覚です。これが少ないお酒は「飲みやすい」と感じやすく、スルスルと喉を通ります。
◾️ 軽やかでスッキリした味わい
水のように感じる理由のひとつが、クセのない味わい。甘さや旨味がありつつも、後味がスッと消えていく軽快さが重要です。余韻が短く、飲み疲れしないのも特徴です。
◾️ 香りが穏やかで主張しすぎない
フルーティな香りも魅力ですが、強すぎると飲み慣れない方には重たく感じることも。飲みやすい酒は、香りと味わいのバランスが取れており、自然と体に馴染む印象を与えます。
2. “水みたいに飲める”飲みやすさを科学でひも解く
◾️ 酸味・アミノ酸のバランスが“まろやかさ”を生む
飲みやすい日本酒は、pHがやや低く(酸性寄り)・酸度やアミノ酸度も低めに抑えられていることが多いです。
これにより、酸味や苦味、うま味が過剰にならず、なめらかで透明感のある味わいになります。
◾️ 高精白=雑味が少ない=クリアな味わい
「精米歩合が50%以下」などの高精白の酒は、米の外側に含まれるタンパク質や脂質が多く削られ、中心の澱粉質だけが使用されます。
その結果、雑味が少なく、クリアで軽快な飲み口に。
「スイスイ飲める」「後味に引っかかりがない」と感じるのはこのためです。
◾️ フルーティーな吟醸香は酵母の力
軽やかな飲み口を演出するもう一つの要素が、香りです。
協会1801号などの酵母を用いると、リンゴや洋ナシのような吟醸香が引き立ちます。
この香りが甘みややさしさを連想させ、飲みやすさを後押しします。
3. 飲みやすい日本酒に多いタイプとは?
日本酒は「香り」「味」「酸度」「旨味」などさまざまな要素で個性が出ますが、以下のタイプは「飲みやすい」と感じやすい傾向にあります。
◾️ 吟醸酒・大吟醸酒
華やかでありながら雑味が少なく、軽やかな口当たりが特徴。精米歩合が高く、雑味となる成分が少ないため、すっきりとした飲み心地に。
◾️ 純米吟醸酒
米の旨味がほどよく感じられ、香りとのバランスも良好。フルーティかつ繊細で、軽快に楽しめる一本が多いです。
◾️ 微発泡や低アルコール酒
最近は「日本酒=強い酒」というイメージを覆すような、アルコール度数8〜12%程度の軽めのタイプも人気。スパークリング感も相まって、初心者や女性にも受け入れられやすいです。
4. 「水みたいに飲める」と話題のおすすめ銘柄
ここでは、“日本酒らしさ”は残しつつ、初心者にも優しく、まるで水のように飲めると人気の銘柄をご紹介します。
【1】上善如水(じょうぜんみずのごとし)|新潟県

名前の通り「水のように清らか」で、スッと喉を通るまろやかさ。まさに“日本酒デビューに最適”な一本。
- タイプ:吟醸酒
- アルコール度数:12.5%
- 特徴:すっきりした飲み心地と柔らかな旨味
【2】仙禽(せんきん)ナチュール|栃木県

酸味と甘味のバランスが秀逸で、まるで白ワインのような感覚。低アルコールで、生酛(きもと)仕込みのやわらかさが感じられる一本。
- タイプ:ナチュラル純米酒
- アルコール度数:13%
- 特徴:食中酒としても非常に優秀で女性にも人気
【3】一ノ蔵 すず音 GALA|宮城県

まるでスパークリングワインのような軽やかさとやさしい甘さで、まさに“日本酒が苦手な人でも飲める一本”として知られる「すず音」。飲み口が非常にやわらかく、炭酸の爽快感が加わることで、初めて日本酒を飲む人にも大好評です。
- タイプ:発泡清酒(低アルコール)
- アルコール度数:9%
- 特徴:ほのかな甘さと繊細な泡立ちが魅力。デザートやフルーツと合わせても◎
【4】CHIYOMUSUBI AWA SAKE SORAH|鳥取県・千代むすび酒造

まるでシャンパンのような繊細な泡と、すっきりとした飲み口が魅力のスパークリング日本酒「SORAH(ソラ)」。その名の通り、空のように澄みきった味わいで、日本酒の新しい楽しみ方を提案する一本です。
- タイプ:スパークリング純米酒(瓶内二次発酵)
- アルコール度数:12%
- 特徴:無添加・純米100%、発酵由来の自然な発泡。軽快で洗練された香りとキレの良さが特徴。
5. 飲みやすさ=危険?適量の意識も大切に
「水みたいに飲める」と感じる日本酒は、アルコールを感じにくいため、つい飲みすぎてしまうことも。体感的な酔いが遅れてくるため、気づいたときには酩酊している…というケースもあります。
日本酒の適量は、一般的に1日1〜2合(180〜360ml)と言われています。飲みやすいからこそ、「ゆっくり」「食事と一緒に」「水も一緒に」楽しむようにしましょう。
まとめ|“飲みやすさ”から日本酒の奥深さへ
飲みやすい日本酒は、日本酒初心者の入り口として最適です。しかし、その先には「甘口と辛口の違い」「温度で変わる味わい」「酒米や酵母による個性」など、奥深い世界が広がっています。
まずは「水のように飲める日本酒」から、自分に合った一本を見つけてみてはいかがでしょうか?そしてぜひ、少しずつその魅力を深めていってください。

◾️この記事を書いた人
SUZU
国際唎酒師の資格を持つ日本酒好きライター。日本酒はもちろん、ひれ酒をこよなく愛しています。
取得機関:https://ssi-sake.jp/
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