
平安時代の貴族たちが愛した「曲水の宴(きょくすいのうたげ)」は、現代にもその美しい形式が受け継がれ、全国各地で春の風物詩として開催されています。
自然と調和しながら、日本酒と和歌を楽しむこの雅な儀式は、日本の四季や文化を体感できる貴重な機会です。
この記事では、現在も曲水の宴を開催している主な神社・寺院のイベントを、地域別にご紹介します。
太宰府天満宮(福岡県太宰府市)
- 開催日:毎年3月第1日曜日
- 会場:曲水の庭
- 特徴:梅が咲き誇る庭園で、平安装束をまとった参宴者が和歌を詠み、流れる盃を受けて酒をいただく伝統行事。禊祓(みそぎはらえ)の神事としても位置づけられています。
- 公式サイト:太宰府天満宮 曲水の宴
北野天満宮(京都府京都市)
- 開催日:毎年3月上旬(春の開催)
- 会場:紅梅殿前 船出の庭
- 特徴:和歌と漢詩を朗詠する「和漢朗詠」の形式で行われ、学問の神様にふさわしく、知と美を重んじた厳かな雰囲気が漂います。
- 公式サイト:北野天満宮 曲水の宴
毛越寺(岩手県平泉町)
- 開催日:毎年5月第4日曜日(※2025年は中止)
- 会場:浄土庭園内の遣水
- 特徴:世界遺産・毛越寺の浄土庭園で行われる格式高い宴。盃を遣水に浮かべ、和歌を詠むことで、平安の文化を現代に伝えています。
- ※2025年は発掘・修繕工事のため開催中止。
- 公式情報:いわて旅 毛越寺 曲水の宴
城南宮(京都府京都市)
- 開催日:毎年4月29日(昭和の日)
- 会場:神苑「楽水苑」
- 特徴:平安時代の装束をまとった歌人が、遣水に盃を流し、即興で和歌を詠む格式ある行事。四季折々の草花に囲まれた神苑が舞台となります。
- 公式情報:方除の大社 城南宮 曲水の宴
曲水の宴は今も文化の中に生きている

曲水の宴は、詩を詠み、酒を味わい、自然と一体になって季節を感じるという、古の日本人の美意識を現代に伝える重要な行事です。
神社や寺院が舞台となることで、儀式としての格式も保たれており、観光客にとっても日本文化を体験できる貴重な機会となっています。
各地で開催時期や規模は異なるため、訪問前に公式情報を確認するのがおすすめです。
日本酒や文化行事に興味がある方は、ぜひ一度「曲水の宴」に足を運んでみてください。雅な時間と空間が、あなたを平安の世界へと誘ってくれるでしょう。
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