【福井県】昭和天皇即位の儀にも捧げられた、世界が認める銘酒「梵」 福井県鯖江市。眼鏡の産地として知られるこの町で、幕末から160年以上にわたり酒造りを続けているのが加藤吉平商店です。代表銘柄「梵(ぼん)」は、昭和天皇の即位の儀式に用いられたことでも知られる、日本を代表する日本酒のひとつ。今なお世界100ヶ国以上で愛される、その理由をご紹介します。
両替商・庄屋から酒蔵へ。万延元年創業の歴史
加藤吉平商店の創業当初は「越乃井」という名で売り出されていましたが、昭和初期には北陸清酒鑑評会で4年連続最優秀賞を受賞するなど、早くから高い評価を得ていました。そして1928年、昭和天皇の即位の儀式に、京都・畿内以外の蔵として初めて選ばれるという栄誉を受け、以来、数々の政府主催の式典で用いられる名酒となっています。

「梵」に込められた、清浄無垢という願い
「梵」という名は、梵語(サンスクリット語)で「清浄無垢」「真理」を意味する言葉に由来しています。昭和中期に正式に商標登録されたこの一文字には、混じり気のない、澄みきった酒でありたいという蔵の哲学が表れているのです。
全量純米・氷温熟成という、頑ななこだわり
梵のこだわりは、なんといっても全量純米酒であること。使用するのは米と米麹と水のみで、醸造アルコールなどの添加物は一切使っていません。原料米は兵庫県特A地区産の契約栽培「山田錦」と福井県産「五百万石」のみを厳選し、平均精米歩合はなんと34.5%。さらに、搾ったお酒をマイナス10℃前後の氷温で長期熟成させることで、雑味のないクリアな旨みを引き出しています。この丁寧な仕事が認められ、70を超える大使館・領事館にも輸出される国際的なブランドへと成長しました。
受賞歴からたどる、看板酒の味わい

梵 ときしらず 純米吟醸~氷温熟成が生む、深い旨み~
「時間に追われる日々の中で、時を忘れる酒があります」そんな言葉がぴったりの一本が、この「ときしらず」。冷やしていただくと、酸のシャープさが際立ち、すっきりとキレのある味わいに。一方でぬる燗にすると、熟成による旨みとコクがふわりと広がり、余韻の長いふくよかな表情を見せてくれます。飲み飽きることを知らないその味わいはまさに「不知時(ときしらず)」の名にふさわしく、ロンドン酒チャレンジでも金賞を受賞している実力派です。

梵 GOLD 無濾過純米大吟醸~淡い黄金色に輝く、上品な旨口酒~
一目見た瞬間に心を掴まれる、それが「梵 GOLD」。出荷の直前に一度だけ丁寧な火入れを施すことで、フレッシュな風味をそのまま封じ込めています。グラスに注ぐと現れる、透き通るような淡い黄金色。香りは控えめながらも上品で、洋梨を思わせる甘やかなニュアンスがふわりと立ちのぼります。無濾過ならではの厚みのある旨みを感じながらも、後口はすっとキレよく引いていく、甘すぎず辛すぎない絶妙なバランス。初めての純米大吟醸としても、日々の晩酌にもぴったりの、梵の中でもっとも親しまれている一本です。

梵 超吟 純米大吟醸~精米歩合20%、五年熟成の珠玉の名酒~
梵の頂点に君臨するのが、この「超吟」。長い時間をかけて生まれる香りは、どっしりと落ち着きのある奥深さをまといながらも、口に含むとしっとりとなめらかな舌触りが広がります。そして最後は、名刀のようにすっと切れる見事な余韻。米とサトウキビを思わせる力強い甘みの中に、ほんのりとしたカラメルの風味も感じられ、精米歩合20%とは思えないほど厚みのある味わいに驚かされます。まさに「日本の酒文化を代表する珠玉の名酒」と呼ぶにふさわしい一本です。
福井の地から、世界の食卓へ
創業から160年以上。両替商から始まった加藤吉平商店は、伝統の手仕事と最新の技術を融合させながら、世界中の人々に愛される酒を醸し続けています。福井を訪れた際には、ぜひ「梵」の澄みきった味わいと、その奥に流れる歴史を感じてみてください。

[蔵情報]
蔵元:加藤吉平商店
所在地:福井県鯖江市吉江町1号11番地
創業:1860年(万延元年)
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