
目次
1. 雫酒(しずくざけ)とは?
「雫酒(しずくざけ)」とは、日本酒の搾り工程の中でも特に手間と時間をかけた「袋吊り(ふくろづり)」という製法で造られる希少な日本酒を指します。
「雫」とは水滴のこと。この製法では、もろみ(発酵を終えた酒のもと)を専用の布袋に入れて吊るし、自然に滴り落ちる雫だけを集めて酒とします。人の手や機械による圧力を一切加えないため、繊細で雑味のないクリアな味わいが特徴です。
2. 袋吊りとは?

袋吊りは、雫酒の命ともいえる伝統的な搾り方法です。もろみを酒袋に入れ、それを吊るして自然に滴り落ちる酒だけを集めます。
この方法では、圧力が一切かからないため、酒に雑味や濁りが生じにくく、上品で透明感のある味わいに仕上がります。搾りに時間がかかる上、得られる酒の量も極めて少ないため、特に贅沢な製法として知られています。
3. 雫酒の味わいの特徴
雫酒は、時間をかけて自然に搾られることで得られる特有の繊細さと気品ある風味が魅力です。
- 雑味が少なく、清らかで洗練された香り
- 口当たりが滑らかで、すっきりとした飲み心地
- 香りと味わいのバランスが取れた高級感のある味わい
まさに「水滴のような日本酒」という名にふさわしい、優雅で特別な一本です。
4. 雫酒はなぜ高価なのか?
雫酒が高価である理由は、製造方法の特殊性と生産量の少なさにあります。
- 袋吊り製法は時間と手間がかかり、効率が非常に悪い
- 一度の仕込みで得られる雫酒の量はごくわずか
- この技術を持つ酒蔵も限られている
これらの要因により、雫酒は希少価値が高く、贈答用や記念日に選ばれる高級酒として人気があります。
5. 雫酒の選び方と表記の見方

雫酒を選ぶ際には、ラベルや説明文に以下のような用語が含まれているかを確認しましょう。
- 「雫」「袋吊り」「斗瓶囲い(とびんがこい)」などの表記
- 「限定流通」や「数量限定」などの希少性を示す言葉
- 使用米や精米歩合、酒蔵のこだわりの説明
⚫︎「雫(しずく)」とは
「雫」は、酒もろみを袋に入れて吊るし、自然に滴り落ちる酒だけを集めたものを指します。人の手や圧力を加えずに得られるため、雑味が少なく、香り高く繊細な味わいが特徴です。
⚫︎「袋吊り(ふくろづり)」とは
「袋吊り」は、酒もろみを布袋に詰め、それを吊るして自然に酒を滴らせる伝統的な搾り方のことです。圧力をかけず、自然の重みだけで酒を抽出するため、酒質が非常にクリアで、なめらかさと上品な香味が際立ちます。
⚫︎「斗瓶囲い(とびんがこい)」とは
「斗瓶囲い」とは、袋吊りや他の慎重な搾り方で得た酒を、「斗瓶(とびん)」と呼ばれる18リットルの瓶に一度ずつ分けて貯蔵・熟成させる方法です。この瓶ごとに味や香りの違いを見極め、選び抜かれたものだけを製品化します。
高級酒のため、購入前に試飲ができる機会や、信頼できる専門店での相談がおすすめです。
まとめ
雫酒は、日本酒の中でも特に贅沢で繊細な造りを持つ逸品です。限られた量しか取れない希少性と、雑味のないクリアで気品ある味わいから、日本酒ファンの間でも高い評価を受けています。
大切な人とのひとときや、特別な日の一杯として、ぜひ一度、雫酒の魅力を堪能してみてください。

◾️この記事を書いた人
SUZU
国際唎酒師と薬剤師の資格を持つ日本酒好きライター。日本酒はもちろん、ひれ酒をこよなく愛しています。
取得機関:https://ssi-sake.jp/
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